指導役の憂鬱について

看護師は規模の大小に限らず、一度は指導者となり新人ナースの教育係を経験します。

新人は看護学校や看護大学で一通りの看護技術を学んきます。しかしそのまま実践で十分というわけではありません。学生時代に実習で患者と接することはあっても、いざ現場に臨めば体が動かなかったり先輩の後ろに隠れているしかないような状態です。新卒の看護師がいきなり一人で現場に出されることはないはずですが、場合によっては新人だけで対応しなければいけないこともあります。新人が未熟なのは仕方のないことだと大目に見てもらえる事もありますが、やはり本人としても早く一人立ちできるようになりたいところでしょう。

新人の教育についてはどの病院も専用の研修体制を持っていますが、その中では指導するベテラン看護師と最近の新人看護師との間にちょっとしたずれがあるようです。特に今時の新人を教えるベテラン看護師は、単に指導役という以上にいろいろと大変な思いをされている様子で、現場の方からはよくこんな意見が出ています…
「最近の新人はとにかく受け身で自分から動こうとしません。何か指示されるまでボーっと突っ立っているだけで完全に指示待ち人間です」
「甘やかされて育った世代だからか、ちょっときつく言うとすぐに不貞腐れたり屁理屈をこねるので腹が立ちます。基本的な挨拶や感謝の言葉も言えないので困っています」
「仕事を覚える気があるのかないのか分かりませんが、面倒なことは人にやってもらって当たり前という態度を感じます。メモもあまり取らないし、半年くらい経っても一人で仕事ができない状態です」
「なんとか早く仕事を覚えてほしいとつきっきりで指導しています。時間外にも時間を取って教えていたのですが、突然辞めてしまって、もう新人を担当する気がなくなりました」

世代的なギャップもあるかもしれませんが、一般的な意見でも最近の若い人には主体性やハングリー精神がないようだと言われています。今までさんざんきつく指導されてきて看護師の仕事をバリバリこなしてきた先輩からすれば、そんな新人たちは見ていてもどかしく喝を入れたくなるのは当然でしょう。仕事の性質を考えてもそんなにのんびり指導できるわけでもなく、人の命に関わる事すらあります。しかし、近頃多くの病院では「新人を叱るな」とのお達しが出ているようです。ただでさえ人手不足の現場にやってきた新人をきつくしごいてすぐに辞められても困るからです。そうなると、指導する側は言いたいことも言えず、ずっと負担の多いままストレスをため込むことになってしまいます。

先輩ナースも指導について悩みながら勉強していることを知っておきましょう。

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