ベテランvs新人の攻防

現在、ベテランナースとしてバリバリ働いている方たちも最初から自信たっぷりだったわけではありません。看護学校を出て看護師になりたての頃は全てがおっかなびっくりだったはずです。看護学校や看護大学では一通り基本的な看護技術を学んできますが、それはあくまで「基本」という所なので実際の看護技術はそれぞれの現場で磨いていくことになります。そして、新人の指導には先輩看護師があたるわけですが、職業柄なのかその指導は昔から厳しかったようです。怒鳴る、叱る、叩くは当たり前で毎日新人は泣かされて山のようなレポートに追われるというのも珍しくなかったといいます。教えられる方としてはつらかったとは思いますが、看護師はミスの許されない仕事です。「ちょっと間違えちゃったけどまぁいいや」では済まされない事も多く、下手をすれば重大な事故にもなりかねません。

しかし、そういう「しごき指導」が正しい方法であるかどうかは人によって意見が分かれると思います。先程の厳しく教えられた、という話を聞いても、ある人は「厳しくするのは当然だ」「教えられる方にも根性がなくては」と思うでしょうし、またある人は「そんなやり方では身につかない」「感情ではなくもっと論理立てて教えるべきだ」と感じるはずです。それには個人の感覚もありますが、前者的な考えはおそらく30代以上の方で、後者的な考えは20代以下の方が多いのではないでしょうか?昔はいわゆる「スポ根」など「努力」や「根性」といったものが尊ばれていましたが、最近では時代の移り変わりもあってそういうものはあまり好まれない傾向にあります。特に今の若い人たちは昔ながらのしごき指導などには反発するもので、新人看護師でもちょっときつく言うとすぐに辞めてしまったりするので指導係も頭を悩ませています。さらに、病院の方針としても離職者を減らすために「新人は大事にしろ」「きつく叱るな」というお達しを出している所も多く先輩看護師としては戸惑うばかりです。先輩としてはある程度新人たちの感覚を認めて歩み寄っていくしかないのですが、とても大変な思いをされているようです。

しかも、最近多くの病院ではPNS(Partner Nursing System)という新しい制度を導入してきています。これは看護師がペアを組んで看護にあたるというもので、若手看護師たちにも注目されています。こういった新しい制度があるかどうかは新人が勤め先を選ぶ際にも影響するようで、流れに遅れまいとPNSを始めている所も多いようです。しかし、こうした新しい制度も闇雲に始めてしまっては駄目で、先輩看護師たちの苦労を増やすばかりになってしまうこともあります。

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